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2011年1月 6日 (木)

老いの未来図:介護・医療の現場で 東京から「介護難民」流入 /千葉  毎日新聞 2011年1月6日

老いの未来図:介護・医療の現場で 東京から「介護難民」流入 /千葉
毎日新聞 2011年1月6日
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20110106ddlk12040084000c.html

◇パチンコ店舗、老人ホームに 生活保護受給者も受け入れ
 廃業したパチンコ店の建物を有料老人ホームに転用し、東京都などから積極的に高齢者を入所させている福祉事業者が県内に存在する。毎月の利用料を安く抑え、生活保護受給者も多く受け入れている。自治体が用意する特別養護老人ホーム(特養)の不足を背景に、経済的な理由などで高額の有料ホームに入れない「介護難民」が、東京などから県境を越えて流れ込んでいる実態が浮かんだ。【黒川晋史】

 その建物は、県中央部の国道沿いにある。外壁は白く、奇妙な形状の屋根。前面はガラス張りで、高い吹き抜けには派手なシャンデリアや電飾が残されている。近くの住民によるとパチンコ店だったが、数年前に廃業。登記簿によると土地と建物は04年、県外の不動産会社の手に渡った。

 ここに今、お年寄りたちが暮らしている。内部を改装して2階を有料老人ホームに転用し、駐車場だったとみられる敷地内には別棟のホームが立つ。お年寄りたちは毎朝、1階のデイサービスルームに集まってくる。夕方までヘルパーたちとそこで過ごし、夜は各自の居室へ戻っていく。

◇  ◇
 「ここは病院よりよっぽどいい」。1階入り口そばのベンチで、男性高齢者(72)はたばこに火を付け、記者の取材に答えた。「部屋はベッド一つようやく置けるほどだが、一人なら十分な広さだ。ヘルパーさんたちもよく気が付く」

 男性高齢者は首都圏で長く溶接工をしていたが、足を悪くして娘の暮らす川崎市の大学付属病院に入院。09年9月に退院して移ってきた。「退院の時、娘がここの施設の人から『入らないか』と言われた。病院と施設が連携しているようだ」。娘が手続きを取り、事前の見学なしに入所を決めたという。

 娘は入所後しばらくは訪ねてきたが、「最近は来ねえなあ」。貯金や年金はない。溶接工の経歴を生かして職を見つけようと思ったが、あきらめた。施設の利用料は今は娘が負担する。「ここは生活保護申請の相談にも乗ってくれる。おれもぼちぼち申請しなきゃなあ」。そう語り、伝い歩きでドアを開け、中に消えた。

◇  ◇
 この建物から車で20分ほどの場所に、廃業したモーテルの建物を転用した有料老人ホームもあった。同じ有限会社が経営し、それぞれ別の名前で県に設置届が出されている。

 県の資料では、入所者が施設に最初に支払う一時金は20万円。毎月の利用料(管理費・食費・家賃相当額の合計)は11万8000円。高額な有料ホームが多数あるなか、生活保護受給者でも暮らせる安価な設定となっている。

 経営者を名乗る男性によると、他に営む施設も含め30人前後を受け入れ、その半数近くは東京など県外者で、生活保護受給者も多いという。

 経営が成り立つのかとの質問には「施設の建物は、廃業した物件を利用している。ヘルパーも地元の女性を安く雇用し、食材も地元農家から安く仕入れており、利益は十分上がっている」と説明。夜間も含めヘルパーを多めに配置し、事故のないよう万全の態勢を取っているとしている。

 その上で、男性はこうまくし立てた。「福祉施設の数が足りず、行き場のないお年寄りがあふれてる。うちの入所者は泣いて喜んでる。自治体はさまざまな理由で受け入れ先のない高齢者を抱え、困っている。私は東京で『ゴッドハンド』と呼ばれ、自治体の担当者から頼りにされている」

◇首都のしわ寄せ、県にも 福祉関係者、影響を懸念
 東京を中心とする首都圏の「介護難民」はいつごろから、どれほどの規模で県内へ流入しているのか。調査も統計もないため詳細は不明だが、県の政策立案にもかかわった福祉の専門家は「流入は確実。特に東京では介護サービスが成り立ちにくく、そのしわ寄せが千葉、埼玉、茨城県などに及んでいる」と指摘する。09年3月に起きた火災で10人が焼死した群馬県渋川市の無届け老人施設「静養ホームたまゆら」もその例だという。

 05年の介護保険法改正以後、保険料の上昇を抑えるため自治体が特養などの施設を作ることを控える動きが全国的に広がっている。国が昨年1月に発表した都道府県別の特養待機者数では、東京が4万3746人で、2位の兵庫(2万5100人)を大きく引き離しトップだった。

 「たまゆら」の火災では、東京都墨田区が施設に送り込んだ6人が犠牲となった。

 福祉の専門家によると、東京はそもそも地価や人件費、物価が高く、高齢者のグループホームなど福祉施設の開設、運営自体が難しい。さらに、働く人の権利意識が高く、明確なタイムスケジュールで働けない施設の人材確保も困難という。

 これらの事情を背景に、東京から県内にも相当数の高齢者が流れ出ているとみられる。専門家は「首都のしわ寄せを受けて、県内の福祉の本当の実態やニーズを把握することが難しくなっている」と懸念している。



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